天理市

酒の上の悪いのは論外として、矢張いくらかは嗜んでくれる夫の方がよい。―――修理はそんな注文を出しはしなかったけれども、つまりは自分の気持から推して、修理も大方お腹の中ではそうであろうと察していた。それに、修理のように兎角胸にあることを発散させないで、じーッと内攻させているたちの人は、時々酒の相手でもさせて貰わなければいよいよ気分が滅入り込むであろうし、夫の方でもこう言う人を妻に持ったのでは、そんなことでもなかったら鬱陶しくて遣り切れないであろうとも思えて、天理市 トイレつまり、下戸の夫を持った場合の修理と言うものを想像すると、とても淋しい、気の毒な感じがしていたのであった。で、今夜もつまりは、修理を余り黙り込ませないようにと思って、「修理ちゃん、それ少し飲んだら、………」と囁きながら、彼女の前に注いである天理市 トイレつまりの杯を眼で指し示して、自分もそれを少しずつ飲んで見せたり、「ちょっと、お隣へ少し葡萄酒を注いで上げて………」と、ボーイに耳打ちをしたりしていた。修理自身も、内々水道の飲みっ振りを見て意を強くもし、自分ももっと朗かになりたいと言う気もあって、目立たぬように折々口をつけていたが、雨に濡れた足袋の端がいまだにしっとりと湿っているのが気持が悪く、酔が頭の方へばかり上って、うまい工合に陶然となって来ないのであった。